【大人ADHD】超不注意!雨野千晴のうっかり女子でもちゃっかり生きるブログ

36歳でADHD(ADD)診断を受けたうっかり女子雨野千晴の脳内多動な日々や爆笑自閉っ子子育てについておもしろおかしく綴っています♪うっかり女子でも大丈夫♪

自閉症とディズニー映画と本当に必要な特別支援の話。人生はディズニー映画のようにはいかない。

「折れ線型自閉症という

発達の途中で言語の表出が急に失われてしまう種類の自閉症があること、



そして


そんな男の子が主人公のドキュメンタリー映画

ディズニーが映像使用許可を出したということを




あなたは知っていますか?




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写真のかわいらしいお子さん。

 

急に言語を失い、コミュニケーションが取れなくなってしまった息子のために

 

ご両親は様々な場所に出向き、相談し、それでも何のヒントも得らずにいたそうです。



息子は失われた そんな風に思っていたある日

息子さんがつぶやく言葉が、ディズニー映画のセリフだと気付いたお父様。



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自閉のあるお子さんの中には、CMや映画、音楽など

同じものを繰り返し見たり聞いたりするのを好む子も多いんです。


映画の全部のセリフ、暗記してたりする。


オーウェンはディズニーの映画を繰り返し見ていて

そのセリフをつぶやいていたのだそうです。



お父様は、ディズニーアニメのキャラクターになりきって、パペットを使って話しかけてみたそう。

 

「何をしているの?」

 

「友達がいなくてつまらないんだ」



オーウェンとの会話が成立した時の感動を、お父様は今も鮮明に覚えておられるご様子でした。



彼の言語が失われて、数年が経っていたそうです。



それから、家族の会話は全てディズニー映画のセリフを用いて行われました。


そうして、徐々に彼は言語を取り戻していったのです。

 

 


そんなドキュメンタリー映画を少し前に見ました。



www.transformer.co.jp

 

で、今ご紹介したエピソードがメインの映画だと思って見に行ったんだけど、



見てみたら、そこは序章の部分って感じで。

 

 

 



この映画の主のテーマはそこになかったんだよね。

 


もともとは著名な記者でもあるお父様の著書を題材に映画を作ろうという話だったようなのだけれど


映画を撮っているうちに、今のオーウェンを描くことに意義があるって監督が感じられたのだとか。



オーウェンが成長し、学校を卒業し、自立を目指す部分がメインテーマとなっていたかなぁと


私は感じました。





学校を卒業して、実家から離れ、障害者雇用で働きながらグループホームで生活する。

学生の時からの彼女と同じグループホームで生活しながらも

彼女に別れを切り出され苦悩する姿。


今まで様々なことについて、いつだってディズニーを教科書に学んで汎化してきた彼が


人生ではハッピーエンドで終わらないこともあると知る。

 

 

 

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いつも彼の良き相談相手である、オーウェンのお兄様も

セックスやらディープキスはディズニーでは教えられない、と悩んだり

親なきあと、自分は弟を支えていけるのかと不安になったり

 

 

 

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綺麗事でない、自閉を持つ青年のリアルな苦悩や生きる喜びが描かれていたのに、すごく引き込まれました。

 




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画像は全てご紹介したリンク先からお借りしたものです。




さて。

 

 

 

 

話は変わりますが、6月の初めに、上越教育大学の西川純教授に『学び合い』という授業についてお話を伺いに行ってきました。



先生の本を読んで、その一冊の中にほんの数ページ書かれていた、支援教育についてのページを読んで


今まで自分が支援の必要なお子さんに対する学校の在り方について感じていたモヤモヤへの答えを見つけた気がしてね。



それで、直接お話を伺いに行ってきました。





私が読んだ本に書いてあったのは、ざっくり言うと

障害のあるお子さん、支援が必要なお子さんも

定型発達のお子さんと一緒の教室で学んだ方がいい

ということだったのね。

 

 

私はさぁ、別教室でその子に必要なことを学んだ方が、

何やってるかわからない一斉授業の教室でひたすら座っていなければいけないなんてことやるよりずっといい


って思ってたのよ。

 


自立課題やったり

環境を整えて自分で課題を達成できる習慣を身につけたりね。

そうすることが、将来に一番生きると思ってたんだよね。




でもねー、

 

 

西川先生が言ってるのは、たとえ何もできないとしても、そこにいるだけでも、定型発達のお子さんの中にいる方がいい


って言うわけよ。




え!と思ったけど、『学び合い』を知って、そうかと思った。


私の受け持ってたクラスじゃ、そうすることに人生の価値がある、とまでは言い切れなかった。



だけど、このやり方なら確かに!


って思ってるんです。





💖西川先生に聞いてみた💖

先生にお目にかかった時に伺ったお話を少しご紹介します。



【『学び合い』が特別支援の必要なお子さんにもマッチするとおっしゃるのは、重度の障害のある場合も含まれるのですか。】




はい。少なくとも、学び合いをしないよりも、する方がいいというのは確信を持って言える。

なぜかというとね。今度の本をやるのに徹底的に調べてわかったのは何かっていうと、学校の先生が大事だと思っているのは、ほとんど大事じゃないっていうことがわかったわけ。

計算できなくてもいい。漢字もできなくてもいい。何にもできなくていい。


健常児の間で、混れればいい。

それだけで生きられる。それだけが一番大事ってこと。だから計算ができなきゃって言ってたら無理が起こるよ。




【それは、計算ではなく、決まったプログラム予定を順番にこなせるというような、

 

卒業した後作業所で働くのに役に立つことを学ぶよりも優先されることですか?】


それもどうでもいい。健常のお子さんと一緒に過ごせるっていうことの方が重要。

 

だって、健常の人と付き合えるようになるのなら、プログラムとかなんとか、本当にやらなきゃいけないプログラムはできるようになるよ。その子ができる範囲内で。

 


人間の中で付き合っていけば、仕事はできるのよ。説明をちゃんと聞いて、会話・ができなくても、身振り手振りでも、意思疎通が切れば、仕事はできるようになる。飯は食えるようになるのよ。

 

 

仕事のスキルを磨くんじゃなくて、人間関係の言語じゃなくてもやりとりできるっていうことを学ぶ方が、その中で必然的に仕事に必要なスキルが身につく。


 

だって、全ての子どもにオールマイティな仕事に就くスキルがあるなら、それは人との付き合い方だと思うよ。

 

 

結局、ある仕事に就いた、それがA型だかB型だか生活支援か施設かね、企業に勤めるか。わかんないじゃない。さらに作業の内容だって違うじゃない。

 

実際勉強したプログラムに全然乗らない仕事してる人だっているわけだよ。要は、その作業所なり、そう言いうところで自分にあった作業を向こうが見つけてくれるよね。施設の人が。それで作りあげるしかないじゃない。だから、混じればいいの。

 

 



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冒頭にご紹介した、オーウェンはパリで講演の依頼を受け、障害のある方の立場からスピーチをすることになるのだけれど


大観衆を前にして、こんな風に語っておられました。




自閉症の人が人と関わりたくない、と思っているというのは誤解です。

僕たちだって、人との関わりを求めているのです。」

 

※記憶を元に書いているのでニュアンスや細部の言い回しは違うかもしれないです




 

ホモサピエンスはもともと関わりの中で生き残ってきた種である

人とは元来人に関心があるのだ、と

生物学がご専門の西川先生は教えてくださいました。






関わりの中で生きて行くこと。


人とのつながりを持つこと。


それが子どもたちの将来のために義務教育が与えられる最も価値あるものなのだ


という根拠がここには書かれていますよ。



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9月14日に出版になった、西川先生と深山智美先生の共著。

 

特別支援学級の子どものためのキャリア教育入門」

 


先生にお話をうかがっていたからね、この本を買う前から、どんなことが書かれているのか、というのはだいたい予測はしていたのですが


読んでみて、やはり皆さんにおすすめしたい本であると感じました。


こんなにも、支援が必要な子どもたちの将来や現状について、そしてそこからの「今必要な教育」という観点が書かれている教育書って、今までなかったんじゃないかなって思います。



そして、私の予想を超えていた部分が一つ。


支援が必要な子どもたちの先生が思い描く未来についての描写。


私はね、グループホームだったり、支援者のサポートを受けながら一人ぐらしをしたりというところが自立した理想の形かなぁなんて思っていたのだけれど


先生の描く未来はずっとずっと先を行ってたよね。



 

 

 

以下、引用。


障害者ようではなく、厳しい生活の人たちのためのグループホームを解放する。そこには健常者も障害者も入る。

中略

健常者も障害者も混じった生活を生み出せば交流は起こる。
 もしかしたら、カップルが生まれるかもしれない。健常者同士、障害者同士、健常者と障害者、様々なカップルが生まれるかもしれない。そのために世帯用のグループほーむを用意する。

中略

そんなコミュニティを生み出すためには、障害者を守ろう、障害者の「ため」の施設を充実させようではなく、みんなを守ろう、みんなのための施設を充実させようと考えてもいいんじゃないかと思う。

 

 

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これを読んで私は、あー私って発想力が売りって思ってたけど、勝手に制限かけてるところ、いっぱいあるなーって思ったんです。



私はハルが恋愛するとか、結婚するとかなんて考えてもいなかったんですね。




もっと自由に、もっと貪欲に


みんなが幸福に生きる社会を描く。


そこに向けて、今できる一歩を考える。





今の自分にできることは、まずは『学び合い』について発信していくことだと思っています。


つーことで、みんなこの本買って読んでみてちょ!!!

そんでもって、この本の読書勉強会をしたいと思いまーす*(^o^)/*







特別支援が必要なお子さんのキャリア教育を『学び合う』会

10月6日
10時ー12時


小田急本厚木駅徒歩4分
アミューあつぎ5階和室2

参加費500円



お時間ある方はその後ランチもご一緒しましょー♪

お申し込み不要、お子様連れ可*(^o^)/*

お気軽に来てねー!!



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『学び合い』模擬授業イベント第2段!!
11月26日に開催♪ 

www.kokuchpro.com


  



 

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記名はありませんが、私の書いた記事です💖

 

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